老師《らおしー》の玉手箱

先生方が玉手箱の中にしまっておきたいような大事な思い出話をしよう!という老師《らおしー》の玉手箱。

「後の十三夜 」

 

久しぶりに暦のお話しです。11月6日の新聞に、「奇跡の月」とか「ミラクルムーン」というニュースが載っているのをご覧になったでしょうか。なんでも「171年ぶりの名月」というじつに珍しい現象?が起こったとのことでした。

 

たしかに11月5日仕事帰りに見かけた月は満月にほんの少し足りないくらいの丸さで、晩秋の夜空に煌々と輝いていました。でもそれが「171年ぶり!」とはどういうことでしょう。
お月見=中秋の名月はとっくに終わったはずですが・・・

 

暦を調べてみましょう。

 

 

9月7日を見ると「8月14日」とあります。この日が旧暦の8月14日ということですね。翌9月8日には「中秋節」と書いてあります。この日が中秋の名月だったことは覚えていらっしゃる方も少なくないと思います。

 

中国の名月は旧暦8月15日=中秋節だけですが、日本には古くから旧暦8月15日に加え旧暦9月13日に月見をする習慣がありました。これを「後の月」あるいは「十三夜」と言います。明月のことを「十五夜」と言ったり「十三夜」と言ったりするのはこういうわけだったのですね。

 

さて、旧暦は月の満ち欠けの一回りが1カ月になります。その周期は約29.5日ですので、これを12回繰り返すと、29.5×12=354日になります。旧暦の1年=12カ月は太陽暦よりも約11日短いというわけです。しかしこれでは地球が太陽を1回りする四季のめぐり=約365日より毎年11日ずつ短くなってしまいます。 そこで11日×3=33日、約1カ月ということで、だいたい3年に1回「閏月」があるのです。閏月をどこに置くかというのは細かいルールがあります。 2012年は太陽暦でも旧暦でも閏年で、アテネオリンピックが開催されましたが(オリンピックが開催されるのは太陽暦の閏年です)、旧暦3月と4月の間に閏3月がおかれました。  

 

そして今年は旧暦の閏年ですが、閏月は9月と10月の間におかれました。閏9月です。

 

 

カレンダーをご覧ください。
10月23日が旧暦9月30日で、翌10月24日は「閏九月初一」つまり閏9月1日になっています。つまり9月が2回あるわけです。


そうすると今年は旧暦8月15日=9月8日の中秋の名月、旧暦9月13日=10月6日の後の十三夜、そして旧暦閏9月13日=11月5日の2回目の後の十三夜、3回も明月を楽しめる非常にお得な年ということになります。

閏月が9月と10月の間におかれるのはかなり珍しいことらしく、「171年ぶりの奇跡の月」と新聞にありました。171年と言えば、平均3年に1回として、その間に50回以上の閏年=閏月があったわけですから、その間1回も閏月が9月に当たらなかったのは「奇跡」かもしれません。

 

 

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