老師《らおしー》の玉手箱

先生方が玉手箱の中にしまっておきたいような大事な思い出話をしよう!という老師《らおしー》の玉手箱。

春節4

さて、春節の4回目です。今日は旧暦の1月14日、明日は15日です。旧暦1月15日を「元宵節」といい、ゴマ、クルミ、落花生などの餡が入った「元宵」というお団子を食べます。このお団子を食べるといよいよ春節も終わりです。日本では鏡餅を割ってお汁粉にして食べる「鏡開き」がありますが、それと同じようなものですね。

前回の作文の日本語訳です。春節の習俗を詳しく説明してくれました。

春節とは中国の旧暦(太陰暦)の正月1日、つまり新年の第1日目のことで、俗に「過年(新年を祝う)」といいます。
中国の春節は地域によって多少の違いがありますが、全体的に言えばそれほど大した違いではありません。私の故郷の春節について簡単に紹介します。

春節といえば、大体は旧暦12月20日あたりから各家々はお正月料理の準備を始めます。私の故郷では小麦粉料理を好むので、春節には小麦粉料理は欠かせません。特筆すべきものは、「面(=麺:小麦粉のこと)魚」という、魚をかたどった小麦粉料理です。「魚」と「余」は発音が同じなので、「年年有余」(=年ごとに余裕があること)を意味しています。「面魚」の他にも「棗の花」などの形がきれいな小麦粉料理も作ります。もちろんその他にも、「鶏魚肉卵」、「瓜果糖茶」、いくつかのお菓子も欠かせません。お客様用に用意をしておくのです。

年越し前で特に重要なのは「辞?(竃:かまど)」で、またの名を「小年」といいます。これは旧暦12月23日または24日に行われます。なぜ12月23日か24日なのか、なぜ決まった1日ではないのかというと、これには2つの説があって、一つは地域の違いによるもの、中国の北方人は23日に小年を過ごし、南方人は24日に小年を過ごすという説。もう一つは、古代の宮仕えの貴族が23日に小年を過ごし、一般庶民は24日に小年を過ごしたという説です。「官は3の日に送り、民は4の日に送る」という言葉があります。他にも、長い年月を経て変遷し、現代は都会では23日に、農村では24日に小年を過ごすようになったという説もあります。「辞?」「辞」とは「お見送り」のことで、「?」「?王老爺」を指します。だから「辞?」は簡単に言うと、「?王老爺をお見送りする」という意味です。伝説によると、?王老爺は各家庭の「一家の主」で、この日は?王老爺天界の「玉皇大帝」に拝謁し、その年の家の事情を報告しに行くのを送り出す日なのです。毎年辞?の時、父はいつも「?王老爺、天の玉帝にお会いになったら、よい話をたくさん報告して下さい、そして大みそかにはまた家で年越しをして下さい。」と言います。?王老爺にいい報告をしてもらう必要があるため、お供えものを準備することは必須です。いいものを食べさせてもらったら、悪い事を報告するのは気が咎めるというヤツです。

辞?」が終われば「大みそか」、1年の最終日となります。この日は基本的には家をきれいに掃除して、新しい年を迎えます。午後は各家々では「春聯(めでたい文句を赤紙に書いて入口に貼る)」を飾り始めます(もし家族に亡くなった人がいる場合は、3年間は春聯を貼ることはできません)。ここでちょっと面白い現象をお話ししたいと思います。各家々ではみんな「福」という文字を貼るのですが、ほとんどの場合、「福」の字をさかさまにして貼るのです。なぜこんなことをするのかって?やはり発音にちなんで縁起を担いでいるのです。「福」の字をさかさまに貼る、すなわち「福倒了(=福がさかさまになった)」、これは「福到了(=福が来た)」と発音が同じです。だから新しい年に福がやってくるという意味になります。大みそかの夜、いくつかの家庭の主婦は家で餃子を作ります。新年の第一日目の朝、餃子の中にいくつか硬貨を入れます。硬貨入りの餃子を食べた人は、新しい年に幸運が続くといわれます。新年の朝、餃子を食べ、爆竹を鳴らし終わったら、家々をはしごして新年の挨拶をします。この時、年少者は年長者に額づいて拝礼をし、同世代では拱手の礼をします。訪問を受けた家は、家庭で準備したごちそうを出して皆にふるまいます。年輩の人の家では、お菓子やナッツ類を食べずとも、飴は必ず食べなければなりません。中国には「甘味(=ものごとの妙味のたとえ。日本語でいう醍醐味)」という言葉があり、それなのでこの飴は必ず食べなければなりません。
新しい年を迎えてしまえば、あとは特に儀式などはありません。みんな親戚や友人の家に遊びに行って、飲んだり食べたりして新しい年をお祝いします。

前回掲載した写真の中に「面魚」「棗(なつめ)の花」前回掲載した写真の中に「面魚」「棗(なつめ)の花」「?王老爺」がありますので、そちらもご覧ください。 2月4日に立春を迎え、暦のうえでは春になりました。まだもうしばらく寒さは続きますが、庭の?梅も満開になり、春の気配が少しずつ感じられます。

  • 静岡日本語教育センター

  • 静岡アジア言語センター

  • ひとこま紀行 -アジア見聞録-