老師《らおしー》の玉手箱

先生方が玉手箱の中にしまっておきたいような大事な思い出話をしよう!という老師《らおしー》の玉手箱。

国慶節1

10月に入ったというのに30度近い厳しい暑さ、残暑の季節もすでに過ぎていますので、一体どう表現すればいいのでしょうか。
本来なら一年で最も過ごしやすく、「スポーツの秋」「読書の秋」など様々に形容される時期のはずですが、この暑さでは運動会も熱中症が心配になりますね。

中国は国土が広大なので、地域により気候が大きく異なります。首都北京は北方に位置しますが、夏は暑く冬は寒く、春と秋が短い大陸性気候です。10月以降は天候が安定して晴れの日が多く、旅行には最適の季節になります。ちょうどこの時期に「国慶節」(10月1日)という祝日を迎え1週間ほどの長期連休になるので、中国各地の観光地は大勢の観光客であふれます。

では「国慶節」とはどういう祝日でしょうか。
「国慶節」はいわば日本の「建国記念日」に当たります。ただ日本の建国記念日が、神話に起源をもつ茫漠とした祝日であるのに比べ、中国の国慶節は近代の具体的な事実に基づく明快な祝日であるという、大きな違いがあります。

1911年辛亥革命によって清朝が倒れ「中華民国」が成立しました。その後1921年中国共産党が成立し、日中戦争、国共内戦を経て、中華人民共和国が成立します。天安門広場において毛沢東が中華人民共和国の成立を宣言した1949年10月1日を記念して「国慶節」が定められました。
この時期には様々な祝賀行事が行われ、時には北京のメインストリート「長安街」で軍事パレードが行われることもあります。

北京の天安門です。

天安門から見た天安門広場

これは、北京の正陽門です。北京には天安門以外にも古い城門や再建された城門がたくさんあります。

最後に前回の宿題、張先生の文章の日本語訳です。

「伝統的な中秋の節句の移り変わり」

一年に一度の中秋節が、まためぐってきました。今年の中秋節は9月19日です。では、中秋節って何でしょうか?中秋節についての一般的な説明は、「中秋節とは春節に次ぐ我が国で2番目に大きな伝統的祭日で、時期は旧暦の8月15日である……」とこんな感じですが、私は「中秋節とは文字通り、中国人にとって秋の重要行事の一つである」と理解するのがいいと思います。
小さい頃の中秋節といえば、家族が団欒したり、お互いを思いやったり、遠く離れた者が故郷に馳せ帰ったり、まさにそうしたことに心を砕くためにやるものと思っていました。また中秋節の時にしかない月餅が食べられることが待ちきれなかったものでした。その当時月餅はそれほど種類が多くなく、せいぜい塩味の豚肉あんか、小豆あんのものくらいでしたが、その当時は中秋節独特の雰囲気をとりわけひしひしと感じさせたものです。
しかし現在は、大人になって仕事を持ち、また通信事情も日々進歩して、山を越え川を越え千里の道を越えて帰郷する代わりに、電話・パソコンメール・ブログ・QQチャット・MSN・Skipe…など、インターネットを通してお互いにあいさつを済ませるようになりました。いつでもすぐにお互いの声を聴くことはできますが、いつも何かが欠けているような気がします。市場ではココナッツ・紫イモ・チーズ…など、新しい種類の月餅が次々とお目見えしています。しかしそれはもう中秋節という特別の日にしか食べられないものではなくなり、たいてい一年間、オールシーズンいつでも買うことができるようになりました。ですから、あの独特の伝統祭日の濃密な空気がなんとなく失われているような気がしています。
古人曰く、「身は異郷にありて異客となり、佳節に逢うごとにますます親を想う(故郷を離れて異郷にいると、節句になるたびにいつもにもまして家族のことがしのばれる)」と。 身を異国他郷において勉学中の私から、皆さんにひとこと言いたいと思います。「常に家に帰って、とにかく親孝行してください、これはどれほど時間やお金を費やしてでも他と換えがたいものです。あなたの家族、あなたを取り巻く友人を大切にしてください。よい中秋節を!」

  • 静岡日本語教育センター

  • 静岡アジア言語センター

  • ひとこま紀行 -アジア見聞録-